学校から帰って来てすぐカバンを置き、そのまま机に突っ伏してしまった。

どうしようか。何もやる気が起きない。

窓の外から聞こえる子供たちの笑い声が静かな部屋にやけに響く。





お兄ちゃんがサッカーの遠征で青森に行った。

帰ってくるのは来週の今日。

わざわざそんな遠くまで行かなくても、東京でやってくれればいいのにと思う。

お兄ちゃんがサッカーを好きなのはよく知っているから応援はしているし、楽しんできてほしいとは思っているけれど。




頬杖をついて、机に置いてあるカレンダーをちらりと見やる。

まだ三日。半分も経っていないじゃないか。





三日前、見送る私はよほどひどい顔をしていたのだろう。

お兄ちゃんは苦笑しながらお土産いっぱい買ってくるからな。と言った。

朝早く起きたのは、お兄ちゃんを笑顔で送り出すためだったんだけど…


玄関に立ち尽くす私を嘲笑うかのように扉が音を立てて無情に閉まった。





カレンダーをいくら睨みつけても気づいたら一週間たっているなんてことはない。

後四日。もう二週間は立ってる気がするのに。

お兄ちゃんがいないだけで、こんなにも一日が長く感じる。



テイルモンが呆れた風に、でも少し心配そうにヒカリは太一が大好きね、と言った。


大輔君やタケル君にも元気がないと心配をかけちゃった。

なにかあった?って聞かれたけど、お兄ちゃんがいないのがさびしいなんて子供みたいなこと正直に言えない。



外から子供たちの歓声が聞こえた。


もう一度カレンダーを睨みつけてみる。

目を閉じて一度深呼吸。


でもやっぱりみんなに心配かけちゃだめだよね。

少しだけ反省する。


でも、だって、つまらないものはつまらないのだ。

いつも一緒にいるからこそ、会えないとなるととても寂しい。


椅子に深く座り、天井を見上げながら今日ずっと思っていた言葉をつぶやく。



「お兄ちゃんに会いたいなぁ」



もしかしたら彼に会えなさ過ぎて自分は死んでしまうかもしれないと、ほんの少しだけ本気で思った。









十日も逢わなきゃ死ぬかもしれぬ こんなにやつれてまだ三日

(帰ってきたら思う存分甘えるんだから!!)


















加筆修正:2010/8/26