これはオフ会のスケブで描かせていただいた 『イギリスwithライフカード・どうする?どうする?オレ!!』の続きです。
一応、画像がなくてもわかるようにはなっています。






どうしてこんなことになったのだろうか。


ライフカード! 続きはwebで!!




(いや、おちつけイギリス。もう一度よく思い出せ)

自分は日本の誕生日を祝いに来たはずだった。
誰よりも早く彼の生まれた日を祝いたかったから。
中国やアメリカに先を越されないように、日付が変わるのをドアの前で待っていた。
そして、12時になった時にチャイムを押して、出てきた日本に国から持ってきた薔薇を渡して。



--



「お、おめでとうな、日本(言えたー!!)」
「ありがとうございます!イギリスさん。きれいな薔薇ですね」
「別に、余ったから持ってきただけだ!手ぶらで訪れるなんて、英国紳士として恥ずべきことだからな!!」

本当は、日本のために一番いい薔薇を持ってこようと1時間かけて選んだものだった。
ユニコーンや妖精たちには呆れられ笑われもしたが、その甲斐あって花束はなかなかのもので。
日本の笑顔が見れるのなら、この程度の手間はなんてことない。

「どうぞ、上がってください」
「あ、ああ。邪魔するな」
「いま、お茶を入れてきますね」




--



そう、そうやっていつも通り日本がお茶を入れてくれて。
ここまではなんの問題もなかったはずだ。


そういえば、チャイムを押してから日本がドアを開けてくれるまでがいつもより異常に早かった気もするが、 それは自分が早く日本に会いたいと急いてた所為だろうし。
それにいつもは自分を先導してくれるのに、 今日は何故か後から付いてきたが、これだって大した意味はないだろう。


そして、日本の隣でお茶を飲みながら、一番に日本の誕生日を祝うため、 薔薇を選んだり準備をしてから一直線にここまで来たために少しだけ睡魔が襲ってきた。

ここで寝るわけにはいかないと思いながらも少し瞼が重くなってきて。






そして今に至る。



今までの事を思い出しても全然事態は好転していない。

日本の家に二人っきり。それだけなら緊張はするがそこまで慌てるようなことはない。
自分たちはいわゆる恋人で。いつも中国やらアメリカやらに邪魔されて案外二人きりの時間は少ない。
だから、今の状況は十分に幸せなはずだった。
問題はただ一つ。


(なんで、日本がオレの膝の上で寝ているんだ!!??)


気持ち良さそうに眠る日本を起こすのも不本意なため心の中でのみ絶叫する。

静かに眠る恋人を見ても、問題が解決するわけじゃない。



この状況、日本の言葉で言うならそう、まさしく据え膳食わぬは、というやつで。
このままいただいちゃってもいいのだろうか、というフランス曰く元ヤンの海賊な自分と、 そんなことは紳士としてあるまじき行為だ!と、思うブリタニアエンジェルな自分とがいる。

寝込みを襲う様な真似をして日本に嫌われるのは避けたいが、この状況はあまりにもおいしすぎると思う。
やるかやらざるか。シェークスピアの一説が頭に浮かぶ。



(…どうする?どうするよ、オレ!!)




この前、日本のCMで見たカードが思い出される。

選択肢は三つ。


・手錠プレイ
・目隠しプレイ
・何も考えずに喰う



…………。


結局どれも一緒ジャン!!



このエロ大使!! と、フランスのヤローあたりに言われるのも仕方がないのかもしれないと少し思った。



オレの葛藤にも気付かず安らかに眠り続ける日本を見る。

オレのそばでこんなぐっすり眠るってことはオレのこと信用してるってことだよな…

こんなに無防備な日本に、手なんか出せるかよ、畜生! 疲れた思考で思う。



でも。

少しくらいなら、キスするくらいなら、許される、よ、な?

(こんなスキをみせた、日本が悪いんだからな!!)


単なる責任転嫁だともわかっている。



日本の顔との距離が縮まっていく。

10p……5cm……もう少し。







(う…ん)

眠りからは覚めたが、もう少しまどろんでいたいという誘惑に負けて眼が開けられない。

ぼんやりとした思考で今までの事を思い出す。

そうだ、私はイギリスさんとお茶を飲んでて、イギリスさんがうとうととしだしたのを見て、そして、

…そして?



自分が客人、それもよりによって大事な恋人であるイギリスが来ているときに眠ってしまったことに気づく。


いけない!

日本は一瞬で覚めた思考の中思いっきり頭を起こした。






ガッ!!


「「っ〜〜」」


二人は渾身の力をこめてぶつかった頭を押さえてうずくまった。




「わ、悪い!日本!!大丈夫か!?」
「はい。私の方こそすみません。お客様が来ているのに居眠りをするなど…」
「いや、いいんだ。日本、寝不足とかだったんだろ?それよりスコーンでも食わないか?」


国で焼いてきたものの出し忘れていたスコーンを出す。

「えっ?あ、はい。ではお茶を」
「ああ。お茶ならオレが紅茶を持ってきた」


寝ている日本に対しやましいことを考えていたイギリスの不自然な提案に、 日本は訝しみながらも自分も深く突っ込まれては困ることがあるのか頷いた。



「もう一度」
「?」
「もう一度、お茶飲むところから、やり直そうか?」

「はい!」

どこかぎこちなさを残した、でもいつものような日本専用の優しい声で言ったイギリスに、 日本は今度こそしっかりと頷いた。














おまけ 〜日本が寝不足だったわけ〜

「お、アメリカ。こんなとこで何やってんだ?」
「フランスじゃないか。日本が誕生日なんでね、お祝いに行こうかと思って」
「は?ならそっちじゃないだろ。日本は今中国にいるんだから」
「フランスこそ何を言っているんだい?日本は今ギリシャに観光がてら行ってるんだよ」

噛み合わない会話に揃って顔を見合わせる。
おかしい。
なぜ同じ人物に会いに行こうとした自分たちの目的地が違うのだろうか。

「それになぜだか知らないけど中国は今フランスに行ったらしいよ」
「だって予定が合わなくて昨日のうちから日本の家に行ったドイツとイタリアは、 日本は留守で中国の家にいるという張り紙がしてあったってよ」

つまりそれはどういうことなのか。
嫌な予感がする。


「おい、アメリカ」
「なんだい、フランス」
「お前、今日イギリスを見たか?」
「いや、見てないね」
「あいつのことだから、日付が変わる瞬間に日本を訪れそうだよな」



疑問は確信に変わる。


おそらく、いや、確実に。
自分たちはあの淡々としているようで実はイギリスに甘い、 アルカイックスマイルの老大国にしてやられたのだ。



「ねぇ、フランス」
「ん?」
「日本も日付が変わってイギリスが来るまで、ドアの前で待っていたりして」

そんなことをするのはあの馬鹿な隣国だけだろう。
いや、しかし、まさか。


「まさか、な」
「まさか、ね」













真実は闇の中へ。

















加筆修正:2010/8/27